四章 願い

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「………なぁ、シン」 何も今、ここで、 このタイミングで聞く事じゃないのかもしれないけど。 いい機会だから、と、オレはずばりシンに尋ねた。  「ん?何??」 アーモンド形の瞳がオレの方に向けられる。 「…お前さ、何で最近朝晩、仁と別々に行動してんの?つか………いつも1人でどこ行ってんの?」 オレの改まった口調に、 多分、今の今までこの事を知らなかった公平も、何事かと、オレとシンの顔を交互に見る。  ………瞬間、 さっきまでの無邪気な表情が一変して、 それは、 今までに見た事のない冷ややかな表情を、シンはしていた。  「……そういうのって、何でもかんでも言わなきゃいけない?それって、義務?」 「………え?」 ……シンの周りの空気が張り詰めていた。それは、触るだけで切れそうな程にピリピリしていて。  ……正直、戸惑った。 「………あ~、何かヘンな空気になっちゃったから、オレここで退散すんね☆」 そう言うと、 シンはまたすぐに元の表情に戻って、公平に、じゃあまた来るね、 なんて笑顔で言った後、  オレの横をすり抜けて、 そそくさと病室を出て行った。  「………どうしたんだろうな、シンのヤツ」 公平が首をかしげて、 そして、心配そうにつぶやいた。 ……………。 多分、 もし今、普通に動ける身体だったら、公平は、確実にシンを追い掛けていただろう。 …だからってワケじゃないけど、 代わりに、オレが追い掛けた。 
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