四章 願い

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「はい俊哉くん、半分こ☆」 ………5分後、 オレは仁と、 何故か1本の焼きイモを半分ずつ、そして何故か体育館の2階のギャラリーで、ゴールリングを眺めながら食べていた。 ………何だ、この光景。 「ごめんねぇ~、よく考えたらボク、財布も持たないで飛び出してっちゃったみたいで…でも、ズボンのポケットにちょっと小銭が入っていたから、あ、ラッキー☆1本だけ買える!って!日頃の行いがよかったのかなぁ~☆」 そう言ってあっけらかんと笑って、 自分のやらかした失敗なんて失敗とも思いません~って感じで、仁が焼きイモの片割れにかじりついた。……それにしても、お前はサ〇エさんかよ。 「…疲れた時って、甘いモノ食べたくならない?甘さが染みるよね……身体にも…心にもさ」 糖分補給しようよ、 そう言って仁はまた焼きイモをかじった。  …確かに、 仁がくれた半分の焼きイモは、その優しい甘さでオレの中を満たして、そして癒してくれているようで。  ……短い間に本当、 “色々”な事がありすぎて。 …疲れてたんだな、オレ……。 「……なぁ、仁」 「何?俊哉くん」 「お前…シンの事、このままでいいのか?」 …それは、 よほどのきっかけがない限り、 聞くつもりのない事だった。 ……でも、正に今がそのきっかけ、なんじゃないかと思う。  ……勝手な解釈だけど。
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