四章 願い

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「………仁」 「何?俊哉くん」 「………聞いてくれて、サンキュー……ちょっと正直、自分の中だけじゃ受け止め切れなくてしんどくなってたからさ……」 オレの言葉に、 仁は、どういたしまして、と、 ニコッと笑った後、その後、 オレの左耳を見て、今さらかよって思わずツッコミたくなるタイミングで、  「俊哉くん!!そういえばいつ耳に穴開けたの!?ボクずっと聞こうと思ってて!!いいな~ピアス!!チョーかっこいい!!ボクも、穴開けようかな~」 …なんて事を、 またいつもの“ほのぼのとしぽん”に戻って、それも何回も同じ事を言っていた。……オイ、それって、結構前の話だぞ……? ……全く仁らしい。 こいつのキャラにピアスって、一見、全然合わなさそうだけど、でも普段からファッションセンスのいいヤツだから。開けたら開けたでフツーに似合うんだろーな…と、オレはヤツのいつまでも続きそうな“いいなー”“本当に開けちゃおうかなー”を横で聞きながら思っていた。  ………そういえば、  あの夜、  オレが、 アイツに“忠誠”を誓った日、アイツに託した、この“片割れ”は…… もう片方の“十字架”は、 どうしたんだっけ……
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