四章 願い

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翌日。  肌を切られるような風に、 ついまた背中を丸めて、いつも通り登校して行くと、 「あ、俊哉くんおはよー」 ちょうど下駄箱の前で仁に会った。……2人共、目だけで、昨日はサンキュー、いいえこちらこそ、って、短い挨拶を交わした後、何気ない顔で他愛ない会話をしながら教室へと向かう。  そこに、  「はよーっす!!今日も元気か、お前ら~☆」 大体やっぱりなタイミングで、 後ろから中尾が走って来て、オレと仁の肩をばしっとたたいた。 「ってーよ、お前…毎朝同じ事聞かなくても元気だっつーの」 「マジか!!それは何よりだな~☆」 …って、そこ、 そんなに驚く事じゃねーだろ…。 「あっ!そーだ、オレ今日学校終わったらコウの所行こうと思うんだけど、お前らも来る??」 何気ない会話の途切れ目に、 中尾が思い出したようにオレと仁に向かって言った。 「うん、行く行く~☆俊哉くんも行くよね??」 すごく当たり前、 な、流れで、今度は仁がオレに振ってくる。 ……確かに、 昨日あんな会話を交わした事で、オレの悩みや迷いごとは、少なからず仁に伝わったハズだ。 …けど、 まさかオレが話した“愛の告白” まがいの、あの話の“対象”が、同じ仲間の中にいるだなんて事、  さすがに、仁でも思わなかったんかな………。 昨日、 ちょっとだけ、“もしかしたら、分かっていても聞かないでくれてる”…なんて、 思ったりもしたんだけどな……。
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