四章 願い

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「……あ、イヤ、オレちょっと用事があるから今日は止めておくわ」 オレは少しの間の後、2人にそう言った。……ぎこちなくならないように、不自然にならないように、自然に自然に。 「え、そうなの??残念~」 残念そうに、仁が言う。 「オレ、昨日行ってきたしさ、お前らだけで行って来いよ、アイツもみんなに会いたがってたからさ」 ……そんな風にして、 すごく冷静……なフリをして2人の 1、2歩前を歩きながら、 本当は、 昨日のアイツのあの言葉や、 その前に、オレがアイツに言った言葉の事をまた思い出して、 やりきれない気持ちに胸を潰されそうだった。 そして、 相変わらずシンは、1人で、 ホームルームぎりぎりに登校して来て、 「マーくんとしぽん、おはよーん☆」 って、 オレ…以外の2人に無邪気に挨拶した後、  「……おはよん☆俊哉くん」 オレの方を見て、 一瞬だけ、じっと見て、  その後、同じようにそう言って、笑った。 ………何だよ、 昨日の“アレ”は、 もうなかった事になってんのかよ……。
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