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「……あ、イヤ、オレちょっと用事があるから今日は止めておくわ」
オレは少しの間の後、2人にそう言った。……ぎこちなくならないように、不自然にならないように、自然に自然に。
「え、そうなの??残念~」
残念そうに、仁が言う。
「オレ、昨日行ってきたしさ、お前らだけで行って来いよ、アイツもみんなに会いたがってたからさ」
……そんな風にして、
すごく冷静……なフリをして2人の
1、2歩前を歩きながら、
本当は、
昨日のアイツのあの言葉や、
その前に、オレがアイツに言った言葉の事をまた思い出して、
やりきれない気持ちに胸を潰されそうだった。
そして、
相変わらずシンは、1人で、
ホームルームぎりぎりに登校して来て、
「マーくんとしぽん、おはよーん☆」
って、
オレ…以外の2人に無邪気に挨拶した後、
「……おはよん☆俊哉くん」
オレの方を見て、
一瞬だけ、じっと見て、
その後、同じようにそう言って、笑った。
………何だよ、
昨日の“アレ”は、
もうなかった事になってんのかよ……。
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