279人が本棚に入れています
本棚に追加
「だーかーら!たまたまだって!たまたまヤマかけてた所がテストに出ただけ~☆」
昼休み、
いつもの屋上で昼メシを食べながら、すかさず中尾に問い詰められた事に、シンはあっけらかんと笑って答えた。
「けどお前…そんなにそんなにヤマカンが全部的中するなんて…どんなかけ方したら100点満点なんか取れんだよ???」
そう言って中尾が、
…仁までもが、興味津々な顔でシンの方を見ている。
……正直オレは、
テストで満点が取れたのどーだの
なんて話には全く興味がなくて。
そんな3人を尻目に、
いつもの購買のやたら黄色いメロンパンをかじりながら、適当にケータイを構ったりしていた。
…………。
……ケータイって、
話したいヤツと話したい時に、
いつでもどこでも話せる便利なツールのハズじゃないのか……?
なのにオレの場合、
アイツから、
電話が掛かってくるワケでも、メールが届くワケでもない。
…アイツは昔からケータイ自体が好きじゃなくて、持ってもないからメールはないとしても………電話くらい、掛けようと思えば、掛けられるのにな……オレの番号だって知ってるハズだし。
「………役に立たねー鉄クズ…」
…周りに、聞こえるか聞こえないか位の、本当小さな声で、1人だけでつぶやいたハズだったのに、
「電話、待ってんの?」
そう言って、
シンがオレの隣に座った。
「マーくんととしぽん、下の自販機にジュース買いに行ったよ」
聞いてもない事をわざわざ言いやがる………
気が付けば、
オレはまた、シンと2人きりでいた。
最初のコメントを投稿しよう!