第三章【忍び寄る影】

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1人で部屋にいるのは怖かったから。 夜中…遠くで電話が鳴っているような気がした…。 でも夢かもしれない…。 私は薬のおかげか、疲れのせいかグッスリ眠った。 起きると横にお母さんは居ない。 私はパジャマのまま1階へ降りた。 ガチャ!! 「おはよう」 「あら、葉月もう起きたの?」 「おはよう。もっとゆっくり寝てれば良いのに」 聡も起きている。 お母さんは朝食を作りながら、聡に借りていた血の付いたスウェットを洗濯していた。 「どう? 血…取れそう?」 「どうかしらね…取れると良いんだけど」 「あっ!! 気にしないで下さい!! 部屋着はいくらでもあるから、捨てちゃって良いですよ!!」 聡は眠そうに目を擦っている。 「葉月ちゃん、寒くない?」 そう言って自分のパーカーを貸してくれた。 「ありがとう。聡…眠れた?」
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