第三章【忍び寄る影】

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「2時間くらいかな…。お母さんもちょっと良いですか?」 そう言ってお母さんもリビングに呼ばれた。 「これが昨夜の巡回記録」 数枚の紙が重ねられている。 「…で、夜中の2時から4時半まで無言電話が138回…時間は記録しておきました」 !!!! 「無言電話!?」 夜中に聞いた電話の音は気のせいじゃなかったんだ…。 聡はその電話に全て出てくれていた…。 「これは電話会社で発信元がわかると思います。 ただ…その無言電話があった時間、2時少し前の巡回記録を見て下さい。 1時過ぎに容疑者宅に家宅捜査に入りました。って書いてあるんです。 それなのに無言電話…。 それから外を何度か見たんですが、巡回どころか、たぶん覆面パトカーだと思いますが、ずっと家の前の道路に車が停まってました。 完全に張り込み状態ですね」 「……どういうこと?」 「その次の巡回記録が4時と5時。どちらも異常ありませんと書いてるけど…4時半まで無言電話は続いていたから…」 ドキドキする…。 嫌な予感がした。 「たぶん、純は捕まってません。逃げてるんでしょう」
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