第三章【忍び寄る影】

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ザワッ…!! 私はソファーで体育座りをして丸くなった。 「たぶん、もう少ししたら警察が来るでしょう。 見えますか? あのシルバーの車。4時に一度人が交代してました」 聡は窓のレースのカーテン越しに車を指差した。 「無言電話は間違いなく純だと思います。 俺は電話に出ても声を発しなかったので、葉月ちゃんかどうかを確かめたかったのかもしれないし、ただのストーカー行為かもしれません」 朝目が覚めたら、全てが解決してると思ってたのに…。 そう信じていたのに…。 この恐怖はまだ続くんだ…。 ピンポーン!! 時計を見ると8時。 聡が玄関に行った。 「警察の方です。入ってもらいますね」 「あっ…はい」 お母さんも動揺している。 私服警官が2人。 「残念なお知らせなんですが…」 「捕まってないんですね?」 聡が先に質問した。 「あっああ…。 父親は重要参考人として身柄を確保してるんですが、神取 純の方は逃亡しています」
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