第三章【忍び寄る影】

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「やっぱり…」 聡はため息と一緒に、ソファーに深く腰をかけた。 「あの…純のお父さんの虐待の事実は?」 「恐らく、昨日事情を聞かせてもらったように、虐待があったと思われます。 父親は否定してますが、神取 純の部屋には外側に鍵が付けられていました。 血痕の付いたティッシュも押収されています。 暴行を受けた後に部屋に監禁されていたんでしょう。 部屋にも無数の暴れた形跡と、血の付いた衣類が見つかっています」 純…辛かったね…誰にも言えずに…。 暴力を振るわれて、監禁されて…怖かったね…。 私は何も知らなかった…。 「…ぅっ…ひっく…」 「……葉月ちゃん…」 聡が隣に座ってくれる。 「父親は逮捕されるんですか?」 「今は任意での取り調べなんだ。 これで神取 純が捕まってくれれば、父親も立件できるんですが、父親が自白するか、神取 純が捕まらない限りは無理でしょう。 父親は虐待を否認してますから」 「何も解決して無いってことですね…」
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