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「やっぱり…」
聡はため息と一緒に、ソファーに深く腰をかけた。
「あの…純のお父さんの虐待の事実は?」
「恐らく、昨日事情を聞かせてもらったように、虐待があったと思われます。
父親は否定してますが、神取 純の部屋には外側に鍵が付けられていました。
血痕の付いたティッシュも押収されています。
暴行を受けた後に部屋に監禁されていたんでしょう。
部屋にも無数の暴れた形跡と、血の付いた衣類が見つかっています」
純…辛かったね…誰にも言えずに…。
暴力を振るわれて、監禁されて…怖かったね…。
私は何も知らなかった…。
「…ぅっ…ひっく…」
「……葉月ちゃん…」
聡が隣に座ってくれる。
「父親は逮捕されるんですか?」
「今は任意での取り調べなんだ。
これで神取 純が捕まってくれれば、父親も立件できるんですが、父親が自白するか、神取 純が捕まらない限りは無理でしょう。
父親は虐待を否認してますから」
「何も解決して無いってことですね…」
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