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聡の言葉が部屋の空気を重くした。
純…どこに逃げたの?
純はバイトをしていない…。
お小遣いはきっと昼代だけだったと思う。
私はふと、左手を見た。
純から貰った指輪が光っている。
「安物だけど…」
そう言ってクリスマスにくれた…。
私は無言のまま、その指輪を外してテーブルに置いた。
その姿を聡はただ見ている。
「そして…神取 純のDNAと学校の放送室から検出された精液のDNAが一致しました。
スプレー缶や保健室に残っていた血痕も。
彼は無計画で感情のままに行動してます。
しばらく外出は控えて下さい。
護衛は警察がさせてもらいますから」
「わかりました…」
お母さんも私も、そして聡も落胆の色が隠せない。
話が終わると警官は車に戻って行った。
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