第三章【忍び寄る影】

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「安心して静養するようにって葉月ちゃんに…。 ってか、安心なんて出来るわけねぇだろ…。 本人が捕まって無いんだから…」 「……」 さっき聡が警察に渡した着信時間で、純の居場所が特定できれば良いんだけど…。 こんな不安な日々が、あとどのくらい続くんだろう…。 頭がおかしくなりそうだ…。 私は頭を抱えて丸くなる。 「葉月…大丈夫?」 お母さんが声をかけてくれる。 「うん…」 「昼過ぎにはパパも帰ってくるわ。 聡君もご飯を食べたら、少し眠って? パパもお礼を言いたいそうなの」 「あっ…すみません…。 なんだかお世話になっちゃって…」 「何言ってるの!! それはこっちの台詞だよ。 ちゃんと布団で寝てって? シャワーも使って良いからね?」 私も聡にまだ居てくれるようにお願いした。 「ありがとうございます。 お言葉に甘えさせてもらいます」
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