第三章【忍び寄る影】

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「君が自分を責める必要はない。 娘にも、私達にもあの…犯人の本性を見抜く目が無かったことが、そもそもの原因なんだ…。 君は危険を察知してくれてたんだろ? だから、葉月はこうして生きていてくれる…。 本当にありがとう」 お父さんは深々と頭を下げた。 「いえ…察知してても守れなければ同じですから…」 聡…そんなに自分を責めないで…。 「まずは立ち話もなんだから座ろう」 「はい」 「コーヒー入れますね」 お母さんはそう言ってキッチンへ。 血の跡が残るカーペットを避けて、床に座った。 「犯人は逃げてるんだって?」 「はい…。 もう一度葉月さんに接触してくる可能性があると思います。 警察がああして張り込みをしてるのが、その証拠かと…」 「聡はね、精神科医になりたくて、心理学に詳しいの」 「そうか…君なら今後どうする?」 「僕なら…まず、葉月さんの携帯を変えて、自宅の電話番号も変更します。 昨日の無言電話の被害報告で警察から、電話会社に発信元の照会が行っていると思うので、電話番号を変更してくれるかと思います」 聡は本当に一瞬で色んなことを考える…。
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