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「君が自分を責める必要はない。
娘にも、私達にもあの…犯人の本性を見抜く目が無かったことが、そもそもの原因なんだ…。
君は危険を察知してくれてたんだろ?
だから、葉月はこうして生きていてくれる…。
本当にありがとう」
お父さんは深々と頭を下げた。
「いえ…察知してても守れなければ同じですから…」
聡…そんなに自分を責めないで…。
「まずは立ち話もなんだから座ろう」
「はい」
「コーヒー入れますね」
お母さんはそう言ってキッチンへ。
血の跡が残るカーペットを避けて、床に座った。
「犯人は逃げてるんだって?」
「はい…。
もう一度葉月さんに接触してくる可能性があると思います。
警察がああして張り込みをしてるのが、その証拠かと…」
「聡はね、精神科医になりたくて、心理学に詳しいの」
「そうか…君なら今後どうする?」
「僕なら…まず、葉月さんの携帯を変えて、自宅の電話番号も変更します。
昨日の無言電話の被害報告で警察から、電話会社に発信元の照会が行っていると思うので、電話番号を変更してくれるかと思います」
聡は本当に一瞬で色んなことを考える…。
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