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お父さんが大きな声を出す。
私は小さく頷いた…。
「心のどこかで、自首してくれるんじゃないかって…。
心を改めてくれるんじゃないかって…そう願ってる。
自分が一度でも好きになった人が、また罪を重ねるなんて…耐えられない…」
目から涙が流れた。
「こんな怪我までさせられてるのにか!!」
バン!!
ビクッ!!
お父さんが叩いたテーブルの音に体が跳ねる。
「お父さん、落ち着いて下さい。
彼女を否定しないであげて下さい。
いつだって、彼女の話しをちゃんと受け止めてあげてください。
これは、この2年間で彼女に植え付けられた恐怖による心の支配なんです。
それを簡単に捨てろというのは無理な話です。
彼女が自分でその支配から抜け出すのを待ってあげて下さい。
焦らすことが、彼女を更に追い込み、孤独にしますから…」
「聡…ひっくっ…」
私の代わりに頭を下げる聡…。
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