第三章【忍び寄る影】

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お父さんが大きな声を出す。 私は小さく頷いた…。 「心のどこかで、自首してくれるんじゃないかって…。 心を改めてくれるんじゃないかって…そう願ってる。 自分が一度でも好きになった人が、また罪を重ねるなんて…耐えられない…」 目から涙が流れた。 「こんな怪我までさせられてるのにか!!」 バン!! ビクッ!! お父さんが叩いたテーブルの音に体が跳ねる。 「お父さん、落ち着いて下さい。 彼女を否定しないであげて下さい。 いつだって、彼女の話しをちゃんと受け止めてあげてください。 これは、この2年間で彼女に植え付けられた恐怖による心の支配なんです。 それを簡単に捨てろというのは無理な話です。 彼女が自分でその支配から抜け出すのを待ってあげて下さい。 焦らすことが、彼女を更に追い込み、孤独にしますから…」 「聡…ひっくっ…」 私の代わりに頭を下げる聡…。
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