第三章【忍び寄る影】

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「うん…わかった」 そうだよね…お父さん達だって、私が被害者になるなんて思っていなかったはず…。 急に色んなことが起きて動揺してるのは、私だけじゃない…。 その後、お父さんとお母さんと一緒に聡の家に行った。 そして聡の両親にちゃんとお礼をして、お父さんは聡からDVの本を借りて行った。 そして、携帯の番号と家の番号を変えに行き、聡が言った通り、家の番号も事情を話すとあっさりと変えてもらえた。 その帰り、ホームセンターに立ち寄って家の防犯グッズをお父さんは買い漁った。 私には大きな音の鳴る防犯ベル。 でも、いざとなったらそんなの押す暇はないんだろうな…。 あの時だって…余裕なんて無かった…。 スタンガンをってお父さんが言いだした時は、さすがに止めた。 誰かがついて来てるのがわかる。 角を曲がる時に、今朝の警察官が見えた。 ちゃんと来てくれてるんだ…。 でも、きっとそれは純を捕まえる為。 捕まったらどうなるんだろう…。 家庭裁判所の後に、鑑別所? 純のJリーガーになるって夢を、私なんかのために潰してしまった純は馬鹿だ…。 才能があったのに…手の届きそうな夢だったのに…。
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