8769人が本棚に入れています
本棚に追加
「なぁ…」
「ん~?」
不機嫌な彼…。
サッカー部の彼氏を待って帰宅するのが日課になっている。
大川 葉月(おおかわ はづき)
17歳。
高校3年の春。
「今日、廊下で話してたのって誰?」
廊下で…?
首を傾げて考える。
「誰かと話してたっけ?」
「眼鏡かけた男と話してた」
あぁ…だから今日は不機嫌なんだ。
「あれはクラスメートの土田君。
移動授業の時にペンケースを落として拾ってくれたの。
ただそれだけだよ?」
こんなことも全部説明しなくちゃいけない?
「葉月を見る目が普通じゃなかった」
繋ぐ手に痛いくらい力が入ってる。
「普通だよ?
それに今日初めて話したし。
しかも土田君にはテニス部に彼女がいるって噂だから、純が心配するようなことは無いって!!」
「ふ~ん…」
納得できない顔で私の手を握っているのは…
神取 純 (かんどり じゅん)
私と同じく17歳。
最初のコメントを投稿しよう!