第一章【束縛】

3/26
前へ
/467ページ
次へ
高1の時に同じクラスになって、入学1週間目にしてすぐに告白されて付き合った。 純は一目惚れだって言ってたけど、私は純の猛アタックの勢いに負けて付き合ったような感じ。 顔もカッコ良かったし、反対する友達も居なかった。 そんな始まりだったのに、付き合い出してからあっという間にもう2年が経った。 それだけ純との時間が楽しかったってことなのか…それはわからないけど。 「純…いい加減、信用してよ…私のこと」 私は俯いた。 この2年、ずっとそうだった。 「葉月のことは信じてるよ。 だけど葉月に言い寄って来る男は許さねぇ。 そんなヤツがいたら、ただじゃおかねぇ。 半殺しにしてやる」 純の目が怖い…。 友達と一緒の時や、部活の時はいつも笑っているムードメーカーの純。 でも、私のこととなると別人みたい。 2年になって、クラスが変わってからは純の束縛も度を増してきた。 「またそんなこと言ってぇ!! 言い寄ってくる人なんていないよ? 純が怒るから男子とは話さないようにしてるし、友達ですら純が蹴散らして来たんじゃん…」 私は不満そうにそう言った。 何でわかってくれないの? こんなやり取りが2年も続くと疲れてくるよ…。 「葉月!! 俺のこと嫌いになったのか!? 前はそんなこと言わなかっただろ!?」
/467ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8769人が本棚に入れています
本棚に追加