第一章【束縛】

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言わなかったんじゃない…言えなかったんだよ…。 私も純が好きだから…。 純が望むならってそう思ったから。 ドンッ!! 痛いっ!! 「ぅっ…んっ」 急にブロック壁に背中を叩き付けられて、強引にキスされる。 「ちょっ…純っ…人が来る…ぅうっ」 舌を押し込まれて苦しい。 「人に見られたって良い。 葉月は俺の女だって見せつけてやる…」 純の手が胸を強く撫でる。 こんな所で嫌っ!! 「痛いょ…苦しい!!…純っ!!」 私は純の胸をドンッと押した。 そして… パシンッ!! 私の平手は見事に純の頬にヒットした。 「最低!! もう!! 1人で帰る!!」 私は停留所に止まったバスに走って飛び乗った。 その瞬間、乗客からの視線が集中する。 きっと…見られてたんだ…。 当然だよね…こんな目立つ場所でキスしてたら…。 外を見ると捨てられた子猫のような寂しい目をして、私を見上げる純…。
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