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「じゃあ、さきちゃんが病気治ったら、あたしとおばぁちゃんでどこか行こうか♪」
夢が言うと、さきは物凄く喜んだ
「うん!!私も早く治さなきゃね!!そして沢山遊ぶんだ~♪」
その話を聞いていたさきのお母さんが、病室に入らず泣いていた。
そう、さきも夢も知らない
さきの病気が治らない事を-…
あんな笑顔を見たら誰だって胸が苦しくなる
----「さき…ごめんねぇ…」
何もしらない二人の会話は、楽しそうだった
「さきちゃんは、どこ行きたい??」
「私はねぇ…お日様が出てる日に広い公園で、沢山遊びたいの。そして、ピクニックみたいにお弁当とお菓子と…」
さきが苦しそうな顔に変わっていくのを夢は見逃さなかった。
夢は急いでナースコールをした。
異変に気付いたさきのお母さんも、慌てて病室に入った
「さき!!さき!!しっかりしてよ!!」
さきの意識はない。
夢も必死に声をかける
「ちょっとどいてください!!」とナースが言う
さきはすぐに手術室に入った。
夢は呆然としていた
「あの…さきちゃんの病気って…」
夢はさきのお母さんに聞く
さきのお母さんは、
もう、言うしかないという感じで夢と病室から出て、待合室の椅子に座る
「あのね…さきの病気は…治らない病気なのよ」
夢は声も出なかった
「…あの子の笑顔見てると苦しくなってね…どうしようもないのよ」
お母さんの目から涙が溢れた。
夢は、お母さんを励ますように
「さきちゃんが頑張ってるのに、お母さんが頑張らないでどうするんですか!そんな悲しい顔しないで…さきちゃんに会っちゃ駄目ですよ…さきちゃんの前では笑顔で居て下さい…」
夢の目からも涙が溢れる
「夢ちゃん…ありがとう。そうよね!私が頑張らないと、さきに悪いわよね…」
夢とお母さんは笑顔になった
---「また来ますね」
夢は家に帰った。
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