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2 同・3年A組教室
昼休み、生徒達が各々購買へ向かったり、
昼食を取ったりしているにも関わらず、
不知火彼方は机を抱きかかえるように伏している
彼方の席は窓側から2列目の真ん中
彼方「あー。意味わかんねぇ」
黄昏ながら呟く彼方に
彼方の前の席に座って明るく橘弘樹が問う
弘樹「何々?
なんかあったの?かーなった君
!」
彼方「何って何?
俺達は普通に青春の1ページを部活に捧げていたわけですよ。
それを何?
部員が少ないとか少ないとか少ないとかそんな理由で廃部にするとかどんだけ頭固いんだよあの校ちょぉぉぉぉぉお!!」
机をバタバタ叩く彼方
弘樹「なんだ廃部か」
弘樹はとても興味なさそうに言う
彼方「軽くいうなよ!!」
威嚇する彼方に肩を竦めて今までの二人の流れを見ていた佐藤雅和に話を振る弘樹
雅和は窓に背を預け二人のやり取りを傍観していた
弘樹「おい雅ーおまえも同じ部活だろー」
雅和「だからなんだ」
眼鏡をかけ直す雅和
弘樹「なんとか言ってやれよ。
励ましとかさー」
雅和は即答する
雅和「俺は嘆くくらいなら部員を集める」
弘樹「お前もかよ!!
いーじゃん吹奏楽部なんて今時流行んねぇって!!
軽音やろうよ!!
俺いつでも大歓迎だよ!!」
両手を広げ明るくいう弘樹に
アイアンクローを仕掛ける彼方
彼方「そーだよなーこの部員泥棒!
お前が作った軽音部のせいで、
部員は盗られるは、
部室は盗られるは今度は部活まるごとかよ!え?」
弘樹「ちょ痛い痛い痛いいたい!!」
彼方が手を離すと熱く可憐に身体表現をしながら語りだす弘樹。
既に自分の世界である
弘樹「いやさ、なんていうの?
俺の優しさと美声と音に滴る汗
女の子達はメロメロズッキュンバッキュン」
手でピストルを作り2、3回打つ
廊下から桜木萌の声
萌「ヒロくーん!!」
笑顔で手を振り返すときゃーっと言って騒ぐ萌と一緒にいた2人の女子生徒
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