トリップ~君と空・僕の明日~

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季節は変わり秋 彼方「しーおーん」 振り向く詩音。 左手首には星型のチェーン 帰り支度をして詩音に近づく彼方。 隣に立つ・ ポケットから出てる携帯には詩音とお揃いの星型ストラップ 彼方「待ってたのか?」 こくんと頷く詩音 彼方「遅くなってごめん。 大会23位だったもう惨敗!! お前がフルートやってくれたらよかったのにさ」 空を見る詩音 詩音「フルートは、やれない」 彼方「…そっか」 フルートの場所に一緒においてある楽譜 彼方「書いてたの?曲」 何も答えない詩音 隣に立って一緒に空を見る 詩音「彼方くん」 彼方「うん?」 詩音「空が好き」 彼方「うん」 詩音「いつか、届けたいの。空に」 彼方「…」 詩音「おかしいね、 あなたは"あっち"の世界の人なのに、今隣にいる」 彼方「あっち?」 詩音「うん。 隣にいて、空見てる」 彼方「?まぁわからないけど…ほめ言葉?」 理解できない顔をして詩音の目線の先を見る うっすら笑う詩音 彼方の顔が曇る 彼方「詩音。」 詩音「…」 校庭には石灰で書かれた大きなメルヘン世界の絵 詩音、逃げる 彼方「逃げんなこら!! お前またやって!!おい!!」 裸足の詩音はペタペタと屋上の扉へ向かう 彼方「しかもお前裸足とか! どこ置いてきたんだよ!!」 廊下を走る彼方の足が、病室を走る彼方の足に変わる *
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