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空模様はどんより曇っている。
まだ午前中だというのに
陰気さを感じさせていた。
「夕方から雨だろうな…」
風間新聞社の事務所から
窓を覗いてが言った。
伊達 九紋。
二ヶ月前に起きた
『ミラージュ』殺人事件を解決した
新米新聞記者である。
その様子を
先輩、熊谷が見て言った。
「いい身分だな、伊達。
天気の事考える暇があったら
明日の新聞記事の事を
早く決めるんだ」
伊達は苦笑いして
煙草に火をつけ机に向かった。
トントントンッ…
三階から誰かが降りて来た。
矢田編集長だ。
矢田は伊達の方へ近付いてきた。
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