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「いけない、仕事仕事」
知らず知らずに顔がにやけていたのに気づいたフェイトは書類を持ち直し艦橋へ急ぐ。
しばらく歩き、ブリッジへの扉を開けるとメガネをかけた茶髪の男が椅子に座り微笑みながらクルーの働きぶりを見ている。
「クライス提督、例の書類仕上がりました。やはり彼等はオーバーSランクの魔導師のようです」
「だろうな、Aランク魔導師が束になっても敵わなかったんだ。それくらいあって当然だろう」
クライス・ジーベン提督、6年前のフリューゲル事件では最前線で部隊の指揮をとっていた人物で、現在は本局次元航行部隊所属第18番艦ヴァルキュリアの艦長を務めている。
「目覚めれば大量の魔力ばらまいてどこかに消え、また現れては魔力ばらまいてどこかに消えるとされるロストロギア“イズミ”」
「それを守護する二人の魔導師」
「しかも魔導師側はオーバーSランクときたもんだ。頼むぞ?ハラオウン執務官」
「了解です」
「よろしい、何かあったらすぐに連絡する。それまではしばらく待機していてくれ」
“分かりました”と敬礼したフェイトは先ほど入って来た通路を戻り、ブリッジを後にした。
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