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〈よし、とりあえずこれを見てくれ〉
そう言うとクライスは自室のキーボードを操作する。
途端に画面が切り替わり、なにやらグラフが表示される。
〈これは“イズミ”出現時の大気中魔力量を数値化した物だ。更に分かりやすくシミュレーションしたものが‥‥〉
また画面が切り替わりシミュレーション動画が流れる。それは大気中の魔力がある一点を中心として球状に完全枯渇していく様子を時間ごとに表した物だった。
〈前回はこの現象が観測されて約十分後に“イズミ”は出現した。もちろん奴らも一緒に〉
「スクランブルからもう四分か‥‥」
クラナガンまであと五分はかかる。陣形を組み、万全な状態で迎え撃ちたいのだが正直微妙な時間だろう。
〈今までのデータからするとイレギュラー自ら何か周りに被害を出したとは記されてはいない〉
「ただ守っているだけ?」
「目的が何なのか‥‥本格的に分かんなくなってきたね」
〈上層部は彼らの事を今までの常識から外れた者、アストレイなんて呼ぶ連中まで出てきたくらい謎の存在だ。まぁなんにせよ危険な相手だ、十分注意してくれ〉
「「「「了解!!」」」」
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