赤眼

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「それと名前や、聞いたからには教えてもらうで?」 シュベルトクロイツを構えいつでも術を発動できる状態を維持しつつも、できるだけ歩み寄ろうとするはやて。 何も分からず、何も知らないまま誰かとは戦いたくはない。たぶん向こうで激しい攻防を繰り広げている二人も同じだから。 「仕方ねぇな‥‥俺はザイン・ケーニッヒ。覚えたきゃ覚えとけ」 「いい加減‥‥何か言ってくれないかな!」 ドァァァァッ 真っ直ぐ向けられたレイジングハートが火を噴く。 「何か言ってくれなきゃ分からないよ!」 『ハーケンスラッシュ』 先ほどからなのは、フェイトが必死に呼びかけてはいるが返答は無言。 「アステマバレット・ホーミングシフト」 フェイトの斬撃を回避し飛び上がったツェーンは自分の周囲に環状の魔方陣十数個を形成、高速移動しながら魔力弾を作り出していく。 「ターゲットロック‥‥ファイア」 シュバッ 一斉に射出された魔力弾はフェイトへと飛んでいく。危険と判断し大きくサイドステップで狙いをはずそうと試みる。 「アクセル」 呟く様に発した一言により弾丸が追尾を開始した。それぞれが意思を持った生物のごとく、執拗に追いかけてくる。
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