赤眼

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拘束され身動きが取れなくなったツェーンに二人がデバイスを突きつける。 「おとなしくしてくれる?」 「とりあえず顔見せてもらうよ」 近寄ってきたなのはがツェーンの付けている道化の仮面に手を伸ばしゆっくり外す。 「‥‥え?」 言葉に詰まるなのは。ありえない、嘘、何で、絶対にありえない浮かんでくるのはそんな言葉ばかり。頭が混乱し思わず後ずさる。 「なのは?」 青ざめるなのはを不信に思ったフェイトがその場で問いかける。 「‥‥くん」 「え?」 「‥う‥くん」 「え?」 「十也君‥‥なの」 「‥‥え?」 完全に聞き取れてなお言葉の意味が理解できない。 「なのは、何言ってるの?」 バルディッシュを持つ手が震える。自分も確認しなければいけない。だけど体が言う事を聞いてくれず動かない。 「‥‥リンクス」 ツェーンと呼ばれていた魔導師が己のデバイスを手放し宙に放る。 『ファイア』 ドガァァァァァン 空中で銃口を自らの主に向け魔力弾を発射する。またしても煙が立ち込め視界を遮る。
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