赤眼

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「高町‥‥なのは」 俯きレイジングハートを強く握りしめたなのはが震える声でゆっくりと言う。 小さく頷き魔導師がフェイトを見る。 真正面から見つめられたフェイトは息を飲む。彼の姿はやはり十也その物で‥‥ 間違えるはずが無い。今まで片時も忘れた事などただの一度だって無い。 たとえ目の色が違っていたってこの肌が、この瞳が、何よりこの心が覚えている。 今この現状で両手を広げて“フェイト”と呼ばれたあかつきには迷わずその胸に飛び込んでいくだろう。 だができない。身体が動かない。言う事を聞いてくれない。 「フェイト‥テスタロッサ‥‥‥‥ハラオウン」 かつてこれほどまでに自身の名前を明かす事に疑問を抱いた事があるだろうか? 考えればおかしな話だ。自分をよく知っている人物に対しての自己紹介。実に奇怪な光景だ。 「そうか、高町にテスタロッサ‥‥覚えておこう」 「待って!!」 再びリンクスを構え魔力を込め始めた魔導師になのはが叫ぶ。それはもはや悲鳴に近い。 「あなたの名前は?‥‥できたら、教えてほしいかな」 リンクスの銃口をなのはに向けながら魔導師は言葉を発する。 「ツェーン。俺の名は、ツェーン‥‥フリューゲル」 「「!!」」
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