赤眼

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バキッ、バキッ 一撃が重い。もうシールドももたない。そんな中でもはやてはいたって冷静だった。冷静じゃなきゃいけなかった。 (まだや‥‥まだ‥‥まだ) バキッ 一際大きな亀裂ができた。ザインはあと一息だと一層気合を入れて拳を突きだす。その様子を見てはやては静かに目を閉じ、夜天の魔導書を開く。 「闇に染まれ」 バリンッ 「デアボリック・エミッション!!」 シールドが完全に砕け散ったとほぼ同時。はやてを中心として球形の魔力が一気に広がる。 「何っ!?」 当然避ける事はできずに直撃。これならそこそこはダメージを与える事ができる。 「ぐっ!」 ザインは使い物にならなくなったマント脱ぎ捨てる。そして姿を現したバリアジャケットは暗い赤を基調とした重厚な甲冑。 「くそっ!どこにいやがる!」 あの攻撃以来姿が見えないはやてを探し大声を張り上げる。 「ここや♪」 ガシッ 突然後ろから声がしたかと思うとザインはいきなり羽交い締めにされる。それに加えはやてに自分ごとバインドをかけられ身動きを封じ込められた。
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