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「ちなみにそんなフェイトさんを惚れさせたのはどんな人だったんですか♪」
「う~ん、一言で言うと‥‥どうしようもなく優しかった」
「アバウトですね。他には無いんですか?」
あまりにも抽象的なフェイトの回答に思わず苦笑が漏れてしまう。
「他には‥‥鈍くて、不器用で、でも一生懸命で‥‥すごく無茶する人」
一言一言発していくにつれてフェイトは懐かしむような、しかしどこか悲しげな表情になっていく。
「ごめんなさい。喋りづらい事訊いてしまったみたいですね‥‥」
「ううん、もうだいぶ前の話だから気にしないで」
「そう‥‥ですか」
なんとも言えない空気が辺りに立ち込める。
しかしフェイトもどうしたら良いか分からなくなっていると、隣でおどおどと言い難そうにティアナが口を開く。
「お名前‥‥訊いてもいいですか?」
「え?うん‥十也、坂崎十也っていうんだ♪」
「え?それ本当ですか?」
いきなりティアナが驚きの声を上げる。
十也が一体どうしたというのだろう。
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