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そんな私を、突然後頭部の衝撃が襲った。
私は突然の事にまぬけにも床に倒れてしまった。
「ふへへへへ……血が、出てるぅ……」
直美は骨を軋ませながら見下ろしていた。
私はむき出しになった右手に焼けるような痛みをおぼえながら、
「直美は私をどうしたいの?」
ときいた。
無駄かもしれないけど、きいた。
「………ドウスル?」
私の質問に少しだけ直美は戸惑った様子を見せた。
すると突然、
「真実っ!よけてぇ!!」
という叫び声が聞こえた。
私はとっさにお風呂場壁に向かってゴロゴロと転がった。
その直後、衝撃音と共に恭子が直美に突進した。
直美は突き飛ばされ、風呂釜へ入ってしまった。
しかし、手をふちにひっかけてまだこちらへと出てこようとする。
「ガアァァァァ!」
苦しいのか必死に直美は風呂釜から体をひきあげようとしている。
「おらあああああああ!!!」
恭子はふちにかかっている手を外そうと両手で頑張っている。
私も片手だけど手伝う。
そのとき、私はあることを思いついた。
「恭子!ちょっとどいて!」
恭子は、
「何言ってんの?」
と言ったが半ば強引に直美の手をつかんだ。
美紀が私にしたように腕に爪をたてた。
突然爪をたてられて驚いたのか、手をひっこめようと直美が暴れだした。
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