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俺は家に着き部屋に入った。
ドア越しに聞こえる声。
「私にあんな子押し付けないでよ!!」
「俺だって嫌だあんな気味悪いガキ!」
「貴方の昔の奥さんの子でしょ!!?」
「あいつが産まれたから俺は不幸になったんだ!!」
聞き慣れた会話。
俺は昔にあいつが結婚した人の間に産まれた子。
「母さん…貴方は俺の事をなぜ産んだんですか……」
自分を犠牲にして俺なんかを…。
それから暫くして聞こえる足音の後にドアが開いてあの女が入って来た。
「あら奏さん帰ってらしたの？遅い時間まで遊んでたら心配するじゃありませんか」
「すみません」
さっきまでの言葉を吐いてた口からよくそんな事が言えるな。
女は部屋から出ていき俺はベッドに入った。
「母さん……」
昔の母さんの写真。
陽だまりのような母さん。
一度でいいから会いたかった。
貴方に抱かれたかった。
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