『赤い糸』

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私にその自覚は、まったくない。 ただ、ちょっと一流企業に勤めて、 背が高く、やさしくて、包容力があって、 綺麗好きで、 私だけを見てくれる・・・イケメンを 希望してるだけなのだが・・・。 「あんたの言うそんな男が 売れ残ってるわけないでしょ?」 私は、反論しようと口を開きかけたが、 それをミホが遮って、話し続ける。 「この年で釣り合うような男は、 みんなどっかに問題があるの! 独身主義だったり、 金銭感覚に問題があったり、 持病持ってたり、 遊び人だったり、 見た目がイマイチだったり。 中には、出逢いがないって理由で 売れ残ってる人もいるかもしれないけど、 出逢いのないあんたと 今まで出逢いのなかった男が 出逢う確率ってどんだけよ? あんたに必要なのは、妥協と 現実の男をよく見ることよ」 私は、何も言えずに テ-ブルの上の唐揚げを口に運んだ。
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