桜花爛漫

10/22
前へ
/22ページ
次へ
わたしはグラスを勢いよく傾け、チェリーブロッサムを喉に流し込んだ。 「あまり根を詰めないほうがいいですよ」 バーテンダーはそういってカウンターの端に座っているわたしの前までやってきて話し始めた。 「え、ああ、そうですね・・つい考え込んでしまって」 わたしは少しはにかみながらそう答えた。 「差し出がましいようですが・・そろそろこれからの生き方を考えてみては如何でしょうか?」 「・・・・ええ・・わたしも考えなくてはいけないと、そう思っているのですけれど・・」 「・・どなたか伴侶になり得る方はいらっしゃらないのですか?」 「・・・・・・います・・・ですが・・」  
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加