桜花爛漫

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「お待たせしました。チェリーブロッサムです」 バーテンダーはわたしの前まで酒を運び、カウンターに置くと、レモンピールをツイストして香り付けをしてくれた。 「うん、ありがとう」 いつものようにしてくれるバーテンダーにわたしは礼を言うと、濃い紅に染まったソーサー型のカクテルグラスの細い脚をつまみ、グラスを傾けた。 川沿いに面するBAR。 桜並木を横切り石畳の路地道を歩き、細い階段を上ると、行灯の中を思わせるような光の空間が広がる。 窓からは川沿いの桜並木を一望する事ができ、ライトアップされた桜は咲き乱れ、闇夜に白く光ってみえる。
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