桜花爛漫

7/22
前へ
/22ページ
次へ
三年前、病室のベッドで息を引き取った妻は、桜の花がとても好きで、入院すると決まった折にも窓から桜の木が一望できる病院をわざわざ探し、病床に就いたのだった。 「お待たせしました。では、ごゆっくりと」 バーテンダーは酒を運んでくると一礼をして、すぐに新しい客のほうへ移って行った。 少し込み合ってきた店内。 わたしは窓のほうへ目を向けた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加