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陛下の屋敷から私達が城へ戻った頃には、夜の気配が強くなっていた。所々にランプの灯る廊下を、私は陛下とライトと一緒に執務室へ向かっていた。
「・・・・・・」
なんだか体がだるい。やっぱり、ぶっ通しで力を解放したからかな・・・今日は早く寝よう。そう思いながら、先を行く陛下とライトの背中を見ていた。
・・・・・あ、あれ?揺れてる・・・?
見えている景色が揺れている。体のバランスがとれないと思った時には、視界が真っ暗になった。
・・・・・・・・・・・
後ろを歩いているユイが気になり、視線を向けようとした時、視界の端にユイが倒れ込む姿が見えた。
「っ!!?」
ハッとしたオレはその体を支えた。
「ユイ!ユイ!」
腕の中でくったりとしている。意識が無い。
「どうした!?・・・オイ、ユイ!」
片膝を付いたシーアスはユイに触れ、眉を寄せた。
「・・・やはりな。心配していたのだ」
「・・・魔力の使い過ぎか?」
「そうだ」
「それはオレも気になってはいた。いつもより長くあの姿でいたから・・・」
「・・・生まれ変わっても、そのままなのだな」
シーアスは苦笑した。オレはユイを抱きかかえ、立ち上がった。
「それがユイだから、余計に目が離せなくなるんだ」
シーアスは小さく笑った。
「ああ・・・まったくだ」
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