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「シーアス!オレのユイに何をして――・・・え?」
いきなり勢い良く扉が開いたかと思ったら、ジェットさんが怒鳴り込んできた。
「わっ!?びっくりした~」
「なんだ騒々しい」
「あ、あれ・・・?」
ジェットさんとエルがきょとんとしていた。
「何か用か」
「オイ・・・何をしているんだ・・・?」
ジェットさんは私達を指差して交互に見ている。
「何って、マッサージです。肩がこってるっていうから・・・ジェットさん代わってください!私もう、限界!手がツリそー!」
「あ、ああ・・・肩こりねぇ・・・」
「閣下、違ってて良かったです」
「ん?違ってって?」
エルは慌てたように両手を振っている。
「い、いや。こっちの話し。で、でも珍しいっスね!陛下がおれ達以外に触らせるなんて」
え?どういう意味?
「そういえばそうだよな。自分の後ろになんて、人を立たせないからな~こいつは」
へーそうなんだ。
あ、そういえば・・・シーアス陛下って誰に対しても絶対背中を見せない。ライトさん達以外は。
「・・・こいつには何もできんからな。オイ、チビ。誰が手を止めていいと言った」
「あ、はい!」
じゃあ、私が後ろに立ってるってことは、信用されたってことかな?
「いいか、シーアス。俺のユイに手を出すなよ」
「ジェットさん。いつから私はジェットさんのものになったんですか」
「いつからって、最初に会った時だろ?」
「へ?」
「お前もやってほしいのならユイに頼めばいいだろう」
するとエルが手を上げた。
「あ、ユイ。次、おれも肩もみしてほしい!」
「え!」
「あ、お前!次は俺だっつーの!お前はユイの代わりにシーアスの肩やれって」
ジェットさんが私の手を掴み、ぐいっと引っぱった。
「わっ」
「えー!ジェット閣下がやればいいんじゃないっスか!おれの方が閣下より早く予約したんです!」
エルも私の手を掴み、引っ張った。
「わわっ!」
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