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「あの、フローラさん!私、家に帰れるんですか?来月剣道の大切な試合があるんです!」
あの試合だけは出なければいけない。初めてメンバーに選ばれたのに、がんばってきたのに、ここでダメになんてしたくない。
けど、フローラさんの表情は曇っている。もしかして、帰れない・・・?
「今の時点で、ユイ様を日本のご実家へお帰しすることは不可能なのです」
「どうして・・・」
「ですが、陛下の命とこの世界を守ることができれば、それは可能になります」
「じゃあ・・・やっぱり、私に選択肢は無いんだ・・・」
お父さんとお母さん、心配してるだろうな。
“市内公立女子高校生 行方不明”
って、新聞に載るのかな・・・先輩やみんなに迷惑をかけてしまう―・・・
「ユイ・・・オレからもお願いします」
ライトさんの真剣な表情を見てしまえば、あの王様とこの世界の危機なんだなってわかる。わかるんだけどさ・・・
「はぁ・・・もぅやるしかないんだ。じゃないと家にも帰れないし・・・私、やります。騎士やります。早く家に帰れるように」
「ユイ様。申し訳ございません。本当にありがとうございます。私も微力ながら、ユイ様をお手伝いさせていただきます」
突然異世界に来てしまった私が、伝説の騎士(見習い)となってしまい・・・かくして、私の異世界生活inラリマールはこれからどうなってしまうんだろう。剣とは無縁の私が騎士の世界で生きぬいていけるんだろうか。
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