家族

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――――――――――――――――――――――――・・・・・ 青い火が燭台で揺らめく薄暗い自室のソファーに腰掛けたデジールは、何かを考えるように一点を見つめていた。 己の胸の内にモヤモヤと霧のようなものがかかり、その先に何かが見え隠れしているとてももどかしい状態が続いていた。 仲間、大切・・・という言葉に、何故か胸の内が震えるような、何かを思い出しそうな、そんな感覚が起こる。己にそのような感覚がある事に戸惑いを隠せない。 ・・・ぼくはここに長くいる。が、いつからここにいるのか判らない。それに、己というものが何故、どうして存在しているのかすら判らない。 ・・・そっと、己の頬に触れた。 ユイさんの炎に巻かれた時、明るいものが流れ込んできた。その時また、何か見えた。 それは誰かと笑いあう自分。 自分を庇うように前に立つ、誰かの背――・・・一体誰だ・・・? 「っ!うっ・・・」 それをよく見ようとすると頭に激痛が走る。まるで何かがそれを阻むように。だが、それでも知りたい。それが判れば、何かがわかるような気がする。 「・・・っ」 静かに扉が開き、一人の女が入ってきた。ブラッジ様の世話をしている女だ。
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