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ガタンッ・・・扉が開き、二人の男性が入って来た。一人はシルバーグレーの短髪で身なりが良さそうな感じの人。歩く風を受け、長いマントがふわっと揺れている。
もう一人は、藍色の長髪を後ろで緩く一つに束ね、この人もライトさんみたく色とデザインは違うけど軍服を着ていた。腰には剣が下げられていた。
「これは、シーアス陛下。お待ちしておりました」
「フローラ。伝説の騎士が見つかったそうだな。ああ、ライト。お前も来ていたのか。で、その伝説の騎士とやらは何処に―・・・ん?」
きょとんと見上げていた私に気づき、じっと見られた。このシルバーグレーの髪の人って王様?深い青色をした意思の強そうな瞳だ。イケメンだなぁ。
「・・・この娘、見ない顔だな」
すると、シーアス陛下と言われている人は私の顎に指を掛け、クイッと上に上げられた。顎クイだ。突然のことにドキッとなる。
「ほぅ・・・この色の瞳を持つ者が他にもいたか」
と、なぜか愉快そうに笑った。が、私はイラッとしてパシッ!と、その手を払った。
「っ初対面の人にいきなり何するのさ!失礼じゃない!」
一瞬驚いた顔をしたけど、おもしろそうに笑った。
「フッ。気が強いな。怖がるかと思ったが」
私の隣りではライトさんがクスクスと笑っていて、藍色の髪の人はやれやれとため息をついていた。私はキッと、シーアス陛下と言われている人を睨んだ。
「そう怒るな。オレはこの国を治めるスティルバイト・シーアスだ。お前は?」
「私は・・・涼華 優衣です」
「スズカ・ユイ・・・ユイか。いい名だ」
優しく微笑んだ。
「・・・っ」
不覚にもイケメンの笑顔にドキッと、心臓が高鳴った。
「それでこいつは・・・」
隣りにいる藍色の髪の人に目を移した。
「私は、フェナサイト・サルファーという」
「初めまして・・・」
無愛想な・・・Coolな感じをうけた。
「で、その伝説の騎士とやらは何処にいるのだ?」
「ここにおります」
シーアス陛下の問いにフローラさんはニコニコしながら答えた。
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