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シーアス陛下はきょろきょろと辺りを見回した。
「どこにもいないではないか」
「陛下、信じられないと思いますが・・・」
「ん?何だライト・・・・まさかこの娘か?そうなのかフローラ」
「はい。間違いございません。ユイ様の魂は本物の伝説の騎士の輝きを持つ魂です」
シーアス陛下とサルファーさんは、微妙な顔をしている私を見て信じられんと口々に言っている。私だって信じられないよ。
「あの、フローラさん。ホントに本当に私で間違いじゃないの?」
「ええ」
「フローラ。本当にこの娘なのか?その前に、戦えるのか?この娘」
私はシーアス陛下の疑問に答えた。
「私、何もできません。剣も見たことないし勿論武術なんて・・・」
「ならば、騎士でもなんでもないではないか。フローラ、本当なのか?」
「・・・なれば、スティルバイト・シーアス国王陛下」
フローラさんはにこやかに、穏やかな口調なのに何故かシーアス陛下の表情は引きつっていた。
「な、なんだ」
「そんなに私が信用出来ぬとおっしゃるのなら、今ここでユイ様が伝説の騎士ということを、証明してさしあげましょう」
「えー!?ちょっ、フローラさん!!?」
「ご心配なさらずに」
と、ニコッと微笑んだ。
ここで証明するって、私なんにもできないのに何させる気ぃー!?
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