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U.S.A.ゲルマン連邦方面軍本部では、連日お祭り騒ぎであった。
彼らは約束された勝利の一報を待っているだけなのだから…
艦隊が出撃して一週間後、レーダー上にあり得べからざる物が観測され、あり得べからざる報告がもたらされるとU.S.A.軍は絶句した。
「カールセン提督戦死、艦隊は壊滅せり…」
決戦に向かった艦隊の内で本部が置かれた惑星ガルムの通信範囲にたどり着いたのは大破した約二百隻のみ、そしてその内三割が機関トラブルでそのまま航行不能もしくは轟沈した。
そして、残る七割も追撃してきたゲルマン連邦艦隊に撃破された。
本部はすぐに戦闘態勢への移行を命令したが、すでに勝利は確定したと信じこみ周辺の防衛艦隊を本国に帰還させるという暴挙を行っていた彼らに戦う術は無かった。
本部基地が壊滅して、混乱を極めたU.S.A.軍はさながら猟犬に追われる獲物と化して駆逐されていった。
この報は瞬く間に宇宙を駆け巡り、U.S.A.はゲルマン連邦に多国籍軍の派遣を決定するが各国は今こそ雪辱を晴らす時とU.S.A.軍を攻撃した。
こうして、U.S.A.の黄金時代は終わりを告げた…
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