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「おい!!待てよ!!それを返せ」
学園内に大声が響く。
日は高くのぼり、皆昼食のために日当たりの良い中庭へ出ていた。
そんな中、食事をしようとせず、中庭を走り回る二人組の姿があった。
何かの紙を持った体格のいい少年を、もう一人のひ弱そうな少年が必死に追いかけている。
「頼むから返してくれ。ファイロス!!」
「ハン!やなこった。おおーい皆、これ見ろよ」
ファイロスと呼ばれた少年は走りながら紙を高くかざした。
「モルキットの奴がまたテストで最下位とりやがった!!いつになっても成長しねーなこいつは!!!」
「このっ」
モルキットはファイロスの腕にめがけてとびかかる。しかし
「お前が俺に勝てるわけないだろ?」
そう言ったファイロスが指を鳴らすと、たちまちモルキットの体は宙に放り出され、激しく地面に叩きつけられた。
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