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そこに立っていたのは背が高く、ボサボサの銀髪で顔立ちの良い少年だった。見た目は普通だが、不思議な雰囲気を持っていた。
「ああ」
それだけ言うとフォーキルは足で地面をコツンと蹴った。
その瞬間ファイロスの足元に巨大な穴が現れ、ファイロスはその穴に吸い込まれるように落ちていった。
「一時間位地面の中で反省しな」
そしてフォーキルは、モルキットの方を振り向いた。モルキットはすでに起き上がっていてテスト用紙を握りしめながら、事の顛末を見守っていた。
「大丈夫だったか!?モルキット」
さっきとは打って変わって明るい親しげな声でモルキットに声をかけるフォーキル。
「ああ大丈夫だ。本当にありがとうフォーキル」
モルキットは申し訳なさそうに言う。
「いいのよいいのよ。あいつら最近素行悪くてな。丁度よかった」
そう言いながらフォーキルはモルキットに近づいてきた。そして腕を見て
「擦りむいてるじゃないか。ちょっと貸せ」
そして自分の指で傷口をさして
「ファンクス」
そう唱えた。すると、一瞬傷口に熱がこもると、気付いた時にはすり傷が消えていた。
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