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和泉(いずみ)は誰もいない保健室の中へ
周りを見るとあの頃とほとんど変わらない懐かしい風景
和泉はゆっくりとベッドに近寄り、手紙と指輪の入った封筒をベッドにそっと置く
そして、瞳を閉じて強く願う
『あなたに届いてください』
どこからか風が和泉の前髪をそっと揺らす
瞳をゆっくり開いてベッドの上に視線を向けると、そこにあった封筒はもうなくなっていた
少しだけ微笑むともう一度、瞳をゆっくりと閉じる
『この想い
あなたに届いていますか』
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