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卒業式の後、家の周りは妙に静かだった。
そして、少年は気づいた、「遠吠えが聞こえない」。
少年は決心してモモのもとへ急いだ。
そこには、いつもの風景からモモだけがいなくなっていた。
少年は、サヨナラを言えなかった。
いままでのモモとの思い出が心の中で溢れだし、それが涙になってこぼれた。
そして、本当に別れが来たことを受け入れる。
それから、少年はモモの眠る場所を探し、ある場所へたどり着いた。
そこは、何もない場所で昔モモと良く来ていた場所だった。
そこには見慣れないものがあった。
木の棒の囲いがあってその真ん中に綺麗な菜の花が咲いていた。
少年は、ここにモモがいることを悟った。
菜の花の前に立ち尽くし、ゆっくりと瞳を閉じた。
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