第一章《呪いを解くには》

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「見ろ、今日は満月だ」  こちらを向きながら、月を指差す化物。指からは鋭い爪が延びていた。 「こんな日に俺に出会ったお前は、不幸としか言いようがない。哀れだ……」  化物はゆっくりと手を下ろした。  暗くて、表情はあまり伺えないが、口から出る白い息が不気味さを増していた。  その不気味さを保ちながら、化物はクリアに言った。 「お前はもう、呪われた……」
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