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「俺もこの呪いを受けた時は怖かったさ。自分があんな化物になるんだからな……」
さらに続ける。
「だが怪物になると誰も近寄らなくなる。話しかけようとすれば銃で撃たれるし……。そんな中で生活すれば、自然と憎しみが湧いてくるさ」
すると化物は、段々と灰になりはじめた。
「いいか。俺が行動を起こしたのは、何も人間を殺したかったからだけではない」
足の方から順に、ゆっくりと、サラサラと黒い風に飛ばされ……
もう、足は無かった……
「理性が段々無くなるんだ。自分が誰なのか、わからなくなっていく」
サラサラと、風に流されていく胴体……
「理性が無くなれば自分が怖くなる。そして思うんだ……」
首だけになり……
「理性があるうちに、この憎悪を晴らして楽になりたいと…な……」
全て消えた……
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