第一章《呪いを解くには》

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「ルージュ! 来ちゃダメだっ!」  自分の涙を拭った右手はもう、あの化物のように毛むくじゃらだった。  青く不気味な毛は、目視でわかるほどに段々と伸びてきた。  スーッと音をたてながら伸びる青い毛が、クリアの恐怖心を煽った。  それを視界に入れないために目をギュッと瞑る。  この姿を、妹に見られるわけにはいかない。直ぐ様クリアは妹から離れた。  ようやく会えたのに。心配で仕方なかったのに。  すぐにでも抱き締めたかったのに、クリアはまた走り出した…… 「ま、待って!! 独りにしないでっ!!」 「ルージュっ!! 大丈夫だっ!! 必ず、必ず迎えに…行くか…らっ……」  途中はもう、涙で声にならなかった……  自分はもう、化物として生きていかなきゃいけない。それに妹を巻き込めない……  クリアはこの雪景色で独り、涙を流しながらルージュから離れ去っていった…… 「お兄ちゃん!!────」
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