第二章《生きてしまった》

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 すると後ろの席の子は、さらにがっつりルージュの背中を掴み、今度は声を少し大きめにして言った。 「どうしてっ?! ルージュなら退治出来るよっ!」  退治?私はいつから勇者になったの?  ルージュは心の中で思いながらため息を吐いて言った。 「怖くて行けない。死んじゃうわ」  するとようやく諦めてくれたのか、後ろの席の子は、フンと鼻息を立てて戻った。  安心したのも束の間、今度は前の席の男の子が話しかけてきた。 「なあルージュ」 「今度は何よ」  少年はニヤリと笑った。
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